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アーティストの秘密基地「UNIVERSAL MUSIC STUDIOS HARAJUKU」リニューアル

ユニバーサル ミュージックの社内には「UNIVERSAL MUSIC STUDIOS HARAJUKU」というアーティストの創作活動の拠点になる社内スタジオがあり、さまざまな所属アーティストの創作活動をサポートしてきました。
CDやストリーミングなど音楽の楽しみ方に関わらずユニバーサル ミュージックから発表される作品はすべて1曲ずつ丁寧に音質などをチェックした上でお届けしています。
今回は2024年3月にリニューアルした社内スタジオ「Augusta Studio(オーガスタスタジオ)」についてご紹介します。

高まる“立体音響”ニーズに応えるために

ストリーミングで音楽を楽しまれる方のなかには最近「空間オーディオ」や「ドルビー・アトモス」など立体音響技術に関する言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思います。以前、このnoteでも紹介しました。
新たな技術の広がりにあわせて、このたび社内スタジオのリニューアルを行いました。

海外ではすでに広く普及していて、2023年の米Billboard Hot100の年間ランキングにランクインした楽曲のうち約8割が立体音響に対応している楽曲でした。
ユニバーサル ミュージック グループは世界各国でより立体的に作品を楽しんでいただけるよう「ドルビー・アトモス」での楽曲制作を積極的に行っています。
 
これまで音楽を聴く時は、左右のスピーカーから音楽を鳴らすことを想定して楽曲を制作していましたが、ドルビー・アトモスの場合、上下や前後、耳元で音が聞こえる、など音をどこからどのように鳴らすかを設定でき、包み込まれるように音の広がりを感じられるよう楽曲が作られるため作品への没入感がより高まります。

ドルビー・アトモスの音源制作ソフトの画面イメージ。中心にいるリスナーに向かって各種の音をどのあたりから流すかを設定することができます
「Augusta Studio」の内部。正面、側面、後方、天井に設置されたスピーカーに囲まれています。これにより、ドルビー・アトモスの音源を高音質で録音・再生できます。

ドルビー社の協力の元、前後左右、頭上といった全面に15本のスピーカーを設置し、立体的な音響を実現することで、臨場感や奥行きのある音を録音・再生することが可能になりました。どの方向から音を鳴らすか、音の組み立ての選択肢が大幅に増えるほか、それぞれの再生機器に合わせた音作りを行うことができ、アーティストが目指す表現を可能にする音づくりをサポートしています。

▼ドルビー・アトモスのより詳細な解説はこちら

“世界とつながる”秘密基地へ

当スタジオは、フランク・シナトラやケイティ・ペリーなどが所属するアメリカのレーベルCapitol Records傘下の世界有数の音楽スタジオ「Capitol Studios(キャピトルスタジオ)」と同じ再生環境を構築した国内唯一のレコーディングスタジオです。
同じ音源のデータでもスタジオごとに音の響き具合など聴こえる音が異なります。このスタジオはスピーカーのメーカーや音の響き方をキャピトルスタジオのエンジニアの監修のもと、ユニバーサル ミュージック グループの基準にあわせてスピーカーや機材の選定、配置などのスタジオ環境がキャピトルスタジオと同等の環境になっています。日本にいながら、海外のユニバーサル ミュージックのスタジオと同じ音を聞きながらの楽曲作りが可能になりました。

アメリカ合衆国のカリフォルニア州ロサンゼルス市ハリウッドにある「Capitol Studios(キャピトルスタジオ)」

さらに、そんな海外とのコミュニケーションをより円滑にするためのリモートコラボレーションツールも活用しています。
ユニバーサル ミュージック グループ傘下で開発した「Audiomovers」を導入、国内外の離れたスタジオ同士を結び、クリアな音質でほぼリアルタイムでやりとりしながら楽曲制作を進めることが可能になりました。
リモートツールの導入に加えて、LAやNY、ナッシュビルなど米国内に複数箇所あるユニバーサル ミュージックのスタジオは、全社で持つ音質基準に沿った再生環境を構築しているため、日米のそれぞれのスタジオで同じクオリティの音質の再現ができることになります。
例えば東京にいるアーティストとロサンゼルスにいるエンジニアがリアルタイムにやり取りをして楽曲の制作を進めるといったことが実現できるようになりました。
リニューアルしたスタジオで制作され最初にリリースされた楽曲は、Capitol Records所属Travis Japanの「T.G.I. Friday Night」です。ぜひ聞いてみてください!

「Augusta Studio」でのTravis Japanメンバーの様子

飛躍するアーティストの創作活動をサポート

昨今、ユニバーサル ミュージックに限らず、日本のアーティストが海外で活動をする機会や邦楽の作品が海外のファンに聴かれることも増えています。今後、これまで以上に海外のスタジオやエンジニアとの共創の機会も増えるかもしれません。リニューアルした「UNIVERSAL MUSIC STUDIOS HARAJUKU」ではユニバーサル ミュージック グループ全体で制作ノウハウやスタッフのネットワークなどをアーティストの創作活動を支え多くの楽曲が生まれる場として活用してもらえるようアップデートは続きます。ぜひご期待ください。