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吉田麻也選手×ユニバーサル ミュージック社長 対談 - 自分も仲間もウェル・ビーイングでいるために

先日、FIFA ワールドカップカタール2022が終了しました。
サッカー日本代表のヨーロッパ強豪国からの勝利も2022年の大きなニュースとして記憶に新しい方も多いと思います。

今回は、以前もご紹介したユニバーサル ミュージック社内で実施した「2022 Well-being Week」のプログラムのひとつから、ユニバーサル ミュージック アーティスツ所属でサッカー日本代表のキャプテンを務める吉田 麻也さん(ブンデスリーガ・シャルケ04所属)と当社・社長の藤倉のトークセッションの内容をお届けします。

世界を舞台にさまざまな経験を積んでこられた吉田選手が語る、心も体もウェル・ビーイングでいるための極意とは? ここでしか聞けない、とっておきのお話をぜひお楽しみください!

(対談実施日:2022年6月)


がむしゃらに突き進むのは、サステナブルじゃない

──今回のテーマは「ウェル・ビーイング」ですが、体も心も満たされた状態でいるために普段から心掛けていることはありますか?

吉田選手「選手として特に意識しているのはフィジカル面です。良いコンディションで試合や練習に臨むために日頃から健康的な食事と十分な休養を取る、お酒を飲まないなどの自己管理を徹底しています。これを続けるのは簡単ではありませんが、パフォーマンスに直結するので、常に意識しています。」

吉田選手が登場すると、会場から大きな拍手が起こりました

藤倉「私はインプットの時間を大切にしています。異業種の経営層の方とお話ししたり、本を読んだり。それと、苦手なことや新しいことに挑戦してみることも。もともと一人で過ごすのがあまり得意ではないのですが、あえて一人になることで、考えていることをじっくり整理する時間を持つようにしています。こうした時間をつくることで、以前より心のバランスが取れている実感があります。」

──日常生活で身体面と精神面のセルフケアの必要性を感じるようになったのは、いつ頃ですか?

吉田選手「中学1年生のとき、プロのサッカー選手を目指すようになってからですね。それからは「プロになる」という軸でどこに住むか、何を食べるか、誰と友だちになるか、どうやって時間を過ごすかを決めてきました。

若い頃は毎日がむしゃらに練習していて、休憩や水分補給は必要最低限。いつも疲れ切って帰っていましたし、体に相当な負荷がかかっていたと思います。今はスポーツ栄養学や医学の考え方が進歩し、当たり前のように練習にも取り込まれているので、身体的な負荷は減ったかもしれません。

それでも代表選手という「日本」の看板を背負ってピッチに立つ以上、サポーターの皆さんからの期待や責任感が付いて回ります。そうしたプレッシャー、ときには批判に対して自分をマネジメントしていくために、精神面のケアも必要だと感じています。これは会社を背負っている藤倉さんも同じですかね?」

藤倉「そうですね。以前はたくさんの人に会ってアーティストや楽曲の素晴らしさを伝える、というアウトプットの連続でした。睡眠時間や食事の面でも生活が不規則になりがちでした。そんな生活が続いていたあるとき、社外の方から「パフォーマンス落ちていない?大丈夫?」と心配されてしまったんです。……そこからですね、睡眠や運動について意識するようになったのは。」

情報を得るばかりでなく、時には遮断することも選択肢の一つ

──吉田選手は心のバランスを保つためにどのようなことをしていますか?

吉田選手「僕はもともと気持ちの切り替えが早い方だと思います。もしサッカーで落ち込んでも、家に帰ったら子どもがいるので「いつものお父さん」でいなくてはならない。良くも悪くも、自動的に切り替わります。

そうはいっても、落ち込むことはあります。そこで先日、思い切って「デジタルデトックス」をしてみました。次のワールドカップに向けて心を休めておこうと思ったからです。一週間くらいインターネットとSNSの書き込みを全く見ないでリラックスした時間を過ごそうとしました(笑)。

僕は知らないことがあると気になる質で、普段はこまめにニュースなどの情報をチェックしていますが、勇気を持ってそれを「遮断する」という選択もウェル・ビーイングの一つのあり方なのかなと思います。」

「ワールドカップに向けて英気を養うことができました」と吉田選手

藤倉「デジタルデトックス、良いですね。オンのときにパフォーマンスを出すためにオフの時間をどう使うか、という考え方で言うと、私は自分の考えを言語化してスマートフォンやノートに書き出しています。この時間から未来につながるような発想が出てくることもあります。」

吉田選手「言語化することは大切ですよね。僕も中学生の頃、「何歳でプロになって、何年までに海外のチームに加入する」といったプランを机の右端に書いていました。振り返ってみると、結構そのとおりに進んでいます(笑)。」

チームのみんなが幸せに、満たされた状態をつくっていきたい

──チームや組織のパフォーマンスを最大化するために、意識していることはありますか?

藤倉「社員の待遇改善やのびのびと働けるオフィス環境、働きやすい人事制度整備など、会社の仕組みづくりを通じて社員が幸せになれる状態をつくりたいと思っています。音楽シーン全体がより良い状態になるように、アーティストの皆さんが満たされた状態でいられるように、という観点を大事にしています。」

吉田選手「チームビルディングで何よりも心掛けているのは、周りをよく見ること。チームには試合に出る人も、出ない人もいます。実際にはその間に実力の差はほとんどなかったりするので、メンバー全員をよく見て、小さな変化にも気付けるようにしています。

もう一つは、自分が結果を出し続けること。僕は今キャプテンですが、ピッチに出たらみんなと同じ「選手」です。チームを率いるための言葉も大切ですが、その言葉の土台に、ピッチ上でのパフォーマンスが伴っていないと説得力がないですからね。」

藤倉「控え選手とレギュラー選手で力の差がないというお話は、社員も同じだと思いました。会社には最前線で活躍している人もいれば、今はたまたま日が当たっていなくても、その裏で力を尽くしている人もいます。どちらも会社にとって欠かせない存在であり、リーダーが広く目を配ることが重要だと感じています。」

吉田選手「サッカーと会社経営は、よく似ていますよね。一方、サッカーチームはメンバー間に階級がなく、平均年齢も若い集団なので、悪い方向に流れやすい性質があります。だからこそ良い方向に律するための雰囲気づくりが重要で、メンバーみんなが、当たり前のようにチームづくりに加わる文化が根付くといいなと思っています。」

──世界保健機関(WHO)によるウェル・ビーイングの定義には「社会的にも健康な状態」という言葉が含まれていますが、これはどのように受け止めていますか?

吉田選手「今年の6月に日本プロサッカー選手会(JPFA)の会長に就任させていただいて、今は自分が培ってきた経験をシェアできることが幸せです。というのも、選手人生には必ず限りがあって、自分の年齢や市場価値がその天井に近づいたときに、今までの熱量を別の場所に移動させなくてはなりません。僕の場合は、今まで「選手としてビッグになりたい」と思っていた気持ちの行き先が「日本のサッカーを強くしたい」であり、今はそこに貢献できることが、ウェル・ビーイングの一つになっています。」

藤倉「私にとっては、社員やアーティスト、ステークホルダーの皆さまが心身ともに満たされた状態でいてくれることがウェル・ビーイングだと思います。周りの人も含めて心も体も幸せな状態を目指していきたいですね。」

対談の最後に、社員から吉田選手への質問にお答えいただきました!

Q1:試合前のルーティンを教えてください。

これはよく聞かれますが、特にありません……(笑)。試合前の時間は、自分がベストなパフォーマンスを出すための準備に使います。ルーティンを決めすぎるとそれが崩れたときにストレスになる場合もあるので、そのとき最適な準備を臨機応変にやっていくしかないかなと思っています。

Q2:インプットの時間がなかなか取れません。吉田選手はどうしていますか?

一日10分でも良いのでとにかく時間を決めて、やります。僕は今イタリア語の勉強をしているので、不要になった裏紙のスペースを、新しく学んだばかりの単語で埋めることが日課です。その紙を見返して「ちゃんと勉強したな」と実感すると気分が上がります。

イベントの最後には、吉田選手からの豪華なプレゼントを賭けた抽選会を実施しました






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