【社員インタビュー】「デジタル×音楽」で新たに創出する体験──人と音楽の出会い方、新セオリー
音楽や映像のストリーミングサービスの普及が進み、戦略的にデジタルコンテンツを活用することが重要となっています。ユニバーサル ミュージックで、その要となるプラットフォーム・パートナーシップ部の大木 はるひ、アドバタイジング戦略部の舘 修平は、それぞれの事業に対して強い想いを持って働いています。
※2020年9月talentbook掲載記事
コンテンツの価値を最大化するための取り組み
2000年代以降、音楽のダウンロード購入が普及して以降、音楽にアクセスできる機会が大きく広がりました。
SpotifyやApple Music、LINEなどサブスクリプション型のストリーミング配信サービスの普及によって、音楽を聴きたいと思ったときに、さまざまなオンラインサービスを通して楽しむことができます。
音楽会社であるユニバーサル ミュージックにとっても、アーティストにとってもオンラインサービスは作品を届けるために欠かせないチャンネルです。
ユニバーサル ミュージック内でそうした音楽配信サービス各社とのコミュニケーションを担当するひとりが、プラットフォーム・パートナーシップ部の大木 はるひです。
大木が所属するプラットフォーム・パートナーシップ部は、動画プラットフォームやストリーミングサービス、SNSサービスなど各パートナー企業の窓口となり、それぞれのサービスや新しい機能の情報を集約します。
アーティストはレーベルと呼ばれるブランドからそれぞれ作品を出しているのですが、レーベルのデジタル担当者を通して、アーティストのマネジメント(所属事務所など)に必要な情報を提供することで、アーティストやレーベルの創作活動をサポートする仕事です。
大木 「世の中には新しいサービスが次々と生まれていますが、SNSなどからトレンドが生まれる瞬間を肌で感じられる仕事です。また、取引先でもあるグローバルプラットフォーマーとの仕事を通じて、最先端のテクノロジーに関する情報交換ができるのも、この仕事の醍醐味だと思います」
各プラットフォーマーのテクノロジーや特徴を活用し、コンテンツを届ける方法を担当する大木に対し、作品の広告を潜在的なファンに向けて配信するのが、アドバタイジング戦略部の舘 修平です。
舘 「通常は広告代理店が行っているようなデジタル広告業務のほぼすべてを、社内で担っています。昨今では特にストリーミングの再生回数を最大化するためにSNSをはじめとするさまざまなメディアへ、どんなデジタル広告をどういうターゲットに向けて出すべきか、戦略面でのアーティスト担当のサポートや出稿した広告の効果測定、知見共有までを行っています」
コンテンツの持つ強みと可能性
ふたりは共に2018年に入社しました。
それぞれが異なる道を歩みながらも、これまで「デジタルを活用したコンテンツの在り方」に向き合ってきました。
大木 「私が新卒で入社した大手通信キャリアでは、新規サービス企画・開発を担当してきました。そのなかで動画配信プラットフォームに携わったことが今の業務にもつながっています。プラットフォームを運用する中で、オリジナルでコンテンツを保有できていないことのハードルを感じていて、やれることの幅を広げたいと思っていました」
まさにユニバーサル ミュージックでは、動画プラットフォームへのコンテンツ配信を強化するタイミングだったのです。
大木 「入社したころ、ちょうどYouTubeが日本でも定額制の音楽配信サービスを始めようとしていました。そのローンチに向けて、自社のコンテンツをどう提供していくかを含めて準備がスタートし、入社早々に大型プラットフォームのサービス開始に関する一連の業務に携わることで、仕事の楽しさを体感できたことはとてもラッキーだったと思います」
一方の舘は、新卒でレコード会社へ入社しました。当時から音楽配信サービスに携わりデジタルコンテンツへの興味を高めていた彼は、その後デジタル広告を扱う代理店へ転職。広告運用のスキルを磨いていきました。しかし、キャリアパスが明確がゆえのジレンマもありました。
舘 「広告代理店では、ソーシャルメディアの担当をしていました。ひとつのメディアのスペシャリストになるというキャリアパスが明確に描かれていたものの、どこか自分の可能性を狭めているような気がしていたんです。デジタル広告という分野を、もっと広く深く掘り下げていきたいという探求心を持っていたところ、今のポジションの話を聞き、興味を持ちました」
デジタルコンテンツが加速度的に普及していく中で、オリジナルコンテンツを保有しながら、プラットフォーマーとのパートナーシップを築くという業務が、それぞれふたりが描いていたキャリアパスに重なるものだったのです。
デジタルで日本の音楽を世界へ届けたい
ふたりは現在、異なる業務を担当していますが、デジタルの可能性を信じ、描く未来は一致しています。
大木 「今はやはり、K-POPが音楽産業に大きな変革をもたらしていると思っています。世界中で聞かれるようになり、アメリカではグラミー賞にもノミネートされました。こうしたブームの背景には、サブスクリプション型の音楽ストリーミングサービスやSNSとの親和性の高いUGC(User Generated Contents)の普及が影響しています」
UGCとは「User Generated Contents」の略。ユーザー、つまり一般のユーザーがつくり出すコンテンツの総称です。たとえばSNSに投稿された写真やTikTokで、アーティストの音楽に合わせて躍る「踊ってみた動画」などもこれに当たります。
大木 「いまや、BTSやBLACKPINKといった韓国アーティストの楽曲で、たとえば南米にいる人たちが動画をつくりアップし、ファンをさらに増やしていく時代です。
UGCによって、アジアの音楽もこれまで以上にグローバルに受け入れられるチャンスが広がっています。日本の音楽業界からも世界中に浸透するようなコンテンツをつくることも夢ではありません」
一方で、UGCではオリジナルの楽曲が加工されることもあり、著作権などアーティストが保有する権利やアーティストのイメージなどと、上手に折り合いをつけていく必要があります。
大木 「音楽会社が主体的に関わることで、ビジネス面に限らずクリエイティブ面においてもある程度のバランスを持ち、アーティストの意向をケアしながら進めていくことができると思います。さまざまなプラットフォーマーとのパートナーシップを持つユニバーサル ミュージックの強みを生かし、新しい文化をつくっていきたいですね」
また、舘もデジタル広告が日本の音楽を世界へ広げていく鍵になると考えています。
舘 「国内のアーティストを国内でプロモーションするということに限らず、日本の音楽を逆に世界に発信していく場合にも、ターゲティングの精度が高いデジタル広告は有効です」
デジタル広告において、プライバシー保護の観点から第三者による情報取得の規制が強まる中、自社が保有するデータの重要性がより高まってきています。
舘 「オウンドメディアの訪問者等、自社が保有するデータやプラットフォーマー保有のデータを上手く活用する事で、通常よりも高い広告効果を発揮する事ができます。このようなデータ活用は広告業務インハウス化の強みのひとつであり、今後はより柔軟なデータ活用ができる環境の構築にも取り組んでいきたいと思っています。
自社のECサイトやオウンドメディア、そこで展開するプレイリストなどを活用することで潜在的なニーズの掘り起こしなどを行い、広告の効果を高める取り組みについて考えています」
オンラインの時代ならではの音楽との出会い方
もちろん、国内でもデジタルコンテンツの重要性は高まっています。
舘 「コロナ以前・以後で各デジタルプラットフォームの利用状況にも明確な違いが出てきました。ユーザーとの接点がオンラインへ比重を移していく中、デジタル広告の重要度も増しています。
変化の速い分野なので常にキャッチアップは怠らず、最適な広告ソリューションをいつも提供できる事が重要であると感じています」
人と音楽とが出会う場については、デジタル化の流れでむしろ増えていると大木はいいます。
大木 「とくにライトユーザーの方の入口がより入りやすいものになっているのではないでしょうか。たとえば何気なく見た動画やCMなどのBGMとして使われている音楽を検索してみることで、アーティストを知るという体験も増えていると思います」
一方で海外経験のある大木は昔から、日本の街角で音楽を耳にする機会が少ないと感じており、デジタルによって起こりつつある変化に期待を寄せています。
大木 「私たちの生活にオンラインサービスが欠かせない今、ユーザーが気軽に使うようなサービスに対して、ちゃんと音楽が届くしくみをつくっていくことで、もっともっと人と音楽の出会いを増やしていきたいです」
デジタルの可能性を信じる大木と舘。ふたりの仕事は音楽の未来だけでなく、人と音楽の関わり方そのもののサービスや広告を通じて接点を増やす取り組みを続けています。
( Text by PR Table / Photo by 杉浦弘樹(foto))