【社員インタビュー】テクノロジーでアーティストの活動を支える
世の中のあらゆる仕事は、データ、システムやネットワークなくして成り立ちません。音楽会社もそれは同じ。楽曲データはクラウドに保管され、音楽制作の現場や配信にもITの力が不可欠です。ユニバーサル ミュージックの情報システム本部で働く蝦名 遼に、仕事の醍醐味ややりがいを聞きました。
楽曲のデータを守り、音楽制作の基盤をつくる仕事
私たちが普段耳にしている音楽は、アーティストの演奏を録音した“データ”と言い換えることもできます。音楽会社には、その膨大な“データ”を永久保存し、後世に継承していく使命があります。一言でデータといっても、納得いくまで何テイクも録音した素材データ、完成したマスタリングデータだけでなく、楽曲に紐づくアーティスト、作詞家、作曲家、プロデューサーの情報、ジャケット写真、ミュージックビデオなどのほか、作品コードなどあらゆるデータを整理して適切に管理しなければなりません。
近年、80年代ジャパニーズ・シティポップが世界中から注目を集めていますが、そのリマスター盤を現代のリスナーに届けられるのは、40年以上前のデータが適切に保存されているから。楽曲を蘇らせ、音楽ファンの期待に応えるためにも、データを確実に守り続けなければならないのです。それらのデータを保存するための技術を管理しているのが、テクノロジー部門の社員です。その一人、蝦名はこう語ります。
蝦名「私たちの仕事は、アーティストやファン、社員がハッピーになるためのサポートだと思っています。楽曲や商品などのあらゆるデータを適切に管理するための基幹システムや、カスタマーサービス、ECサイト、社員が業務に使うITツールなどを常に更新し、セキュリティという重要なトピックとのバランスを保っていくのも大事な仕事です」
新しいテクノロジーは会社の未来をつくる戦略
米国に本社を置くユニバーサル ミュージック グループでは、グローバルで歩調を合わせながらIT施策を進めています。
蝦名「ユニバーサル ミュージックの良いところは、地域ごとにそれぞれ違う文化やニーズがあると認めて、本社がある程度の自由を許容している点です。グローバル企業では本社と同じシステムしか使えないということもありますが、弊社では日本法人で新しいサービスを独自で導入することもあります。もちろん本社でのレビューがありますが、ニーズを正しく伝えれば承認され、それがグローバルスタンダードになることもあります。一方、世界各国で一気に進めるプロジェクトの場合は、日本の社員の業務への影響が最小になるように進める配慮や調整も必要です。グローバルな視点を持ちながら、臨機応変にプロジェクトを進めるマネジメント力が求められますね。一般的にはIT部門はコストセンターと考えられがちですが、弊社では『テクノロジー部門』と呼び、枠に縛られずに攻め続けることで戦略部門のひとつとして経営に寄与している手応えも感じられます。」
アーティストをテクノロジーでサポート
音楽会社ならではの仕事もあります。2024年3月にリニューアルした社内スタジオ「UNIVERSAL MUSIC STUDIOS HARAJUKU」はDolby Atmos マスタリングができる素晴らしいスタジオですが、高速大容量の通信ネットワークを導入して、海外のスタジオとの距離を感じさせないリアルタイムでレコーディングなどができるようになっています。ほかにも大勢のファンが視聴するライブ配信のサポートや、アーティストの夢を叶え、ファンに感動を届ける場面にも関われるのは、音楽会社のテクノロジー部門ならでは。
蝦名「近年、音楽会社はメーカーとしての立ち位置から、ファンに直接感動を届けるB to C の領域が増えています。自分たちの仕事が、作品作りやそこに関わる人たちを支えているというのは嬉しいことですね。 昨年、原宿・竹下通りにオープンした「UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKU」は、お客様と我々音楽会社が直接の接点を持てる貴重なリアル店舗です。オープン以来、アーティストからもファンからも喜ばれる声を耳にできており、アーティストとファンの皆さんをつなげる仕事ができるのは嬉しいですね。音楽業界は今後もっと変わっていくと思いますが、いつも意義ある存在でいたいと思います。」
アーティストの活動をサポートするために、テクノロジーの力で何ができるのか。ユニバーサル ミュージックは、グローバル・ローカル両方に取り組むIT戦略でアーティストに伴走し、ファンに音楽を届け、感動の瞬間を生み出すことに挑戦しています。